

日本屈指のデニム生産地、岡山県。南西部の井原市に本社を構える「クロキ」。ここはデニム生地の染色・織布・整理加工を一貫生産で行う、日本では数少ないデニムメーカーの1つです。高い生産性とそのクオリティーの高さは、海外のラグジュアリーブランドの製品にも多く採用されるほど。(2023年、LVMHグループのLVMHメティエダールとパートナーシップを締結。)
今回はその「クロキ」と、COHINAで根強い人気を誇るCOHINA DENIMシリーズ2型のスペシャルコラボレーションが実現。よりデニムらしい風合い、色合い、上質な素材感をお楽しみいただける、アップグレードされたアイテムが完成いたしました。
そのデニム生地の生産工場を訪れると見えてきたのは、日本が誇る、高いデニムの生産技術とこだわり、そして自然との共存を意識した環境に配慮した取り組みでした。



紡ぐ、染める

工程の一番最初にあたるのは「整経」と呼ばれる作業。タテ糸を整える工程です。
空間の中に糸を一本一本張り巡らせ、一本のロープ上に束ねて巻き取ります。糸が一本でも切れると後の工程を止めることになるため、丁寧に確認しながらロープ状に束ね、巻いていきます。

ゆらゆらと天井に向かって引き上げられるロープ状の糸。
染色機に送られる糸を追っていくと、その先に見えるのは段々と濃紺に色づいていく、美しいグラデーションを纏った糸の束。



クロキの強みの1つでもあるのがこの染色。糸をインディゴ染料の浴槽に浸けて、上へと吊り上げ、また降ろして浸けるを繰り返します。
染料に浸かった糸は空気に触れさせることで酸化し、それによりインディゴ色に発色していきます。白から黄色、黄緑、緑、青、濃紺へと変化していくグラデーションがなんとも美しい…。連続して7~10回浴槽に入れて染めることができ、この工程を繰り返すことで染色濃度が決まります。
クロキでは糸を束ねて染める「ロープ染色」を取り入れており、なんとこの機械は自社で設計された世界最大級の大きさ…!
ロープ染色は糸の外側から染まっていくため、糸の芯は染まらず、白く残ります。これがデニムを履き続けると味わうことができる、あの風合いの変化につながるのです。

製織、デニム生地へ

染め上がって乾燥にかけられた柔らかい糸束。これを一本一本ばらし、糊付けをすると、ピンっと張った水引のような硬さに。ここから糸を織り上げる工程。いよいよデニム生地が生まれていきます。

ガシャンガシャンと工場内は規則正しい織機音がこだまし、圧巻の光景が広がります。138台の織機がずらっと並び、風合いや最終仕上がりによって、旧式のシャトル織機、新型のレピア織機を使い分けて生地を織っていきます。


織り上がった生地は最終の整理加工へ。
毛羽を焼いて表面を仕上げたり、糸についた糊を剥がし、ねじれや縮みを予め見越して計算し、それを防ぐ加工を施します。
こうしてデニム生地の完成です。


環境への配慮

工場に伺った際、丁寧なものづくりの過程に加えて印象的だったのが、自然環境への配慮。
デニムを作る過程で大量の水を使用しますが、自社で排水の処理を行い、瀬戸内海の厳しい環境基準をクリアする水質にまで再生しているとのこと。
また、染料は天然藍も使用した染色をしていたりと、原料の生産者や環境に寄り添ったものづくりをされていました。
緻密な計算と誇り高い日本の生産技術、職人の方々の熟練の技法によって生まれる高品質なクロキデニム。
COHINA DENIMは「大好きで何本も持っています…!」というお客様も多く、たくさんの方にご愛用いただいているロングセラー商品です。今回のスペシャルコラボレーションアイテムは、よりデニムの良さを感じていただける仕上がりになっております。
”ぴったり”はもちろん、デニムの上質さや経年変化もお楽しみいただける本格仕様のデニム、ぜひ多くの方に手に取っていただけると嬉しいです。

